雪ノ下 銀座店が11/1に銀座にオープンした。大阪・梅田にあるかき氷とパンケーキの店「雪ノ下」は分厚いパンケーキと熱心なリピーターが付いていることで知られる。9月に「雪ノ下」が新宿タカシマヤの催事に登場したのは東京進出を控えていたからなんですね。以前梅田の雪ノ下工房にはパンケーキ本掲載のお礼に寄らせていただいたが今回は代表の近藤正文さん、東京店の吉川靖師さんとお話できたので盛りだくさんでお届けする。
目次
大阪のパンケーキ事情
全国的に見ても大阪はパンケーキ店が多いエリアで東京の約300店に次ぐ90店近くのパンケーキ店が存在する。Butter、丸福珈琲店、mog、アメリカン、トリトンカフェ辺りが有名店だろうか。分厚いパンケーキを売りにしている店は少なくて雪ノ下はその代表格。
パンケーキブームもあって東京にはだいたいの有名店が出揃っている。ブランドがあって新しい店となるとクリントン・ストリート・ベイキングのように海外から、あるいは豊洲のButterや今回の雪ノ下のようにエリアを飛び越えて持ってくる段階に入ってきている。
雪ノ下・練乳の白いパンケーキ
まずいただいた「練乳の白いパンケーキ」のりんごバージョン。普段はバナナがトッピングのメニューだが「いいりんごが手に入ったので」と特別バージョン。
雪ノ下の場合食材が主役とい考え方がベースにあって「手に入れた食材をどう表現するか」の手段としてのパンケーキだったりかき氷、という所から始まっているので食材が変わればメニューも変える。「もちろんお客さんには確認してから出すけど、その時旬でもっと美味しいものが食べられるならお客さんだってその方が嬉しいでしょ」と近藤さんは笑う。
分厚さと美味しさが両立したパンケーキ
それから生地についても触れなければならない。しばらく前パンケーキ好きな友人と「分厚いパンケーキと美味しさは両立するか」という議論があった。つまり現状では両立しない、と思われている訳だ。そういう方にも雪ノ下のパンケーキはおすすめ。
分厚い系を出す店は普通生地の種類が1種類しかないが雪ノ下には4種類もある。その研究の成果でふんわりとしっとりが混じったマドレーヌ的食感になっている。生地はプレーン目な味付けだが練乳アイスの量があるので全体に行き渡るだろう。
お姉さんがぐわ~と生地を混ぜている所。力強い渦が面白い写真。
セルクル(型)に流し込んでホットプレートで20分かけて焼き上げる。
雪ノ下・発酵バターとみかんハチミツのパンケーキ
別の生地のパンケーキ。これはいい焼き色!!
のどごしにこだわった近藤さんが何度もリテイクして完成した生地はプリンのようなのどごし。発酵バターはすぐ溶けてしまうので撮影はお早めに(笑。みかんハチミツをたっぷりかけていただきましょう。
雪ノ下のかき氷「三ヶ日みかん氷」
かき氷、昨年ブームがあって今年も続いている。
雪ノ下 銀座店は実はフランチャイズ1号店。吉川靖師さんはかき氷の有名店を全部回った上で雪ノ下のかき氷に惚れ込んだという。ビジュアルからして普通のかき氷とは違うし素材にこだわるという売りもあるからいい差別化になるんじゃないだろうか。
たまたま今ホテルなどの食材偽装が話題になっているけれども元々飲食業ではなかった近藤さんは自分の店では安心・安全を保証できるものを出したい、同じフルーツでもいいものからどこのものかわからないものもある、その中でお客さんには本物の美味しさを知って欲しいと思っていた。だから「みかん」ではなく「三ヶ日みかん」にするし他のメニューでも産地や銘柄が具体的に書かれている。昨日は絶賛オープン準備中だったが近藤さんと吉川さんはメロンだったら◯◯がいい、アレを仕入れるならここだ、と食材の話ばかりしていた。この人達は本当に好きなんだなあ。
雪ノ下 銀座の場所と店内
最寄りは銀座一丁目だが地下鉄銀座駅からでも10分はかからない。銀座側から歩道橋で幹線道路を渡った1つ目の角。大きくトマトが描かれたビルが目印。
東京のパンケーキの中心は原宿だけれども銀座もまた帝国ホテルやビブリオテークなどパンケーキを出す店が多い。カフェか喫茶店かで言えば喫茶店。喫茶店のおやじがきちんと作ったものにこだわっている感じでやってきたそうなので落ち着いた銀座の方が合っているのだろう。
準備中なので壁の写真だけ。地中海に面するチェニジアをイメージした淡いブルーが印象的。席数はカウンター16席で明るいテラス席なので初夏や夕方はいい感じになりそう。
感想
私なんかが言うのはおこがましいけれども志が高いお店。
単純に考えれば分厚いパンケーキだけでも人は呼べるだろうし採算だけ考えればコーヒーの原価も抑えたい所だがスペシャルティコーヒーの専門店堀口珈琲の豆を使用するなどいいものを知ってもらいたいという想いが原点にある。大阪と同じようにリピーターがつく店に育っていって欲しいと思います。