原宿・東京のパンケーキというニッチなテーマで月間25万ページビューある当サイトだがメシマズ写真と言われないようプレッシャーを感じてきた。最近クックパッドが始めた料理教室事業に料理写真を4時間みっちり教えてくれる講座を見つけたので早速参加。講師は人気雑誌の仕事もされている「料理専門の写真教室フェリカスピコ」の佐藤 朗さん。なるほど今日から使える!というポイントを皆さんにも共有したい。
前置きとして「お店で撮る」のと「自宅で調理写真を撮る」のとは全く別物なんですね〜。一番大きく違うのは「出先では環境を調整できない(ことが多い)」が「自宅ならライティングやレイアウトを調整できる」ということ。特にライティングは大きな要素で出先では調整の余地が無いことが多い。
▼当日撮った写真。日ハムのリコッタパンケーキがパーティ風に変身!
目次
メシマズ写真の教訓
昨日アメリカのカリスマ主婦マーサ・スチュワートさんの料理写真が酷すぎると話題に。テクニック的にはフラッシュ焚きすぎとか青いと食欲わかないとかあるんでしょうがいくら実物が美味しくても写真がダメだと伝わらないという反面教師になってしまった。
マーサ・スチュワートのTweetしている料理写真があまりに酷いので、誰かにアカウントを乗っ取られたのかと思いきや、あくまで本人が撮影しているのね。撮った写真を全く確認しないのかしら。せめてもう少しまともなカメラを使えばいいのに…。http://t.co/HCTEggDesz
— Akane Saito (@AkaneSaito) 2013, 11月 18
料理写真教室@クックパッド
クックパッドが「クックステップ」という料理教室紹介事業を始めたのだが写真教室も混じっている。お金を払うのはやぶさかでないが一回1時間とかじゃ身につかないよね、と思っていたが11時〜15時の4時間昼飯無しでがっつりさが刺さった。というか自腹で7000円もよく払ったな何かテンションがおかしかったのかもしれない。
白金台のクックパッド(株)にて4時間の料理写真教室を開催します。
現役のプロカメラマンが自然光を使った基本的な料理の撮影技術をお伝えし、フードスタイリストがスタイリングのテクニックをお伝えします。クックパッド、facebook、ブログなど料理を写真で表現する方に向けた教室です。
料理写真教室@クックパッド – 東京都港区の料理レッスン
料理写真を上手く撮るコツ10個
講師の佐藤 朗さんはクックパッド社員の方にも講習したらしい。他でも料理写真教室をやられていて快活明朗、手慣れた進行。
さて料理写真には10のコツがあるそうだ。一つ目は「1.写真の出来上がりをイメージする」「2.太陽の光(自然光)を使いこなす」「3.柔らかい光で撮る」…と続くがここでは全部紹介しない。なぜなら2番のライティングがダメなら他が全部揃っていてもダメ!とのこと。
料理写真は逆光で撮るのが常識とされていてどの本でもそうなっている。正面からの光(順光)では凹凸が無くなりテリ・ツヤが出ないので美味しそうに見えないのだ。完全な逆光でなく斜め後ろからの光が良い。
厳しい光源の例
カフェなどでありがちだが光源が複数あるので影が3つも出た。これではどこを「逆」とみなせばよいか決められない。どうしたらいいんですか?と聞いた所「諦めて美味しく食事をいただきましょう!」と笑い飛ばされたw。
プロ的にはダメな光源でいくら撮ってもダメ、ということなんだろう。
太陽光のみ・テーブルを窓際にセッティング
カフェでは光源をいじれないが自宅なら別だ。佐藤さんのおすすめなのは太陽光のみにする方法。
- 屋内の照明は消して窓際にテーブルを移して撮る。
- 窓が複数ある場合はカーテンを閉めるなどして光源を一箇所にする。
- 直射日光は避ける。
- 影が強すぎる(光が強すぎる)場合はレースのカーテンをしたり机を遠ざけて調整する。
例えばこんな感じ。かなり暗そうに見えるが露出をあげれば大丈夫。
ローソンのパンケーキがいい感じに撮れた。
立体的に盛り付ける
立体的な方が美味しく見えるよね、ということで例えばハンバーグの下に野菜を敷いて奥側が高くなるようにする。
皿の少し右側から撮る
まず、料理には正面というものがある。ハンバーグが主役で付け合せが脇役、ソースが綺麗にかかっている部分が正面。なるほどと思ったのは少し右側から撮るというテクニック。
ちょっとあざとい比較だが右側からは主役のハンバーグが大きく撮れるが左側からだと付け合せが大きく入ってしまう。脇役を撮りたいわけじゃないよね?という話。なお逆光が大前提なので皿の方を回してセッティングしよう。
#これはあまり逆光気にせずに撮りました
縦構図で撮る
プロが撮る料理写真は縦構図が多いそうだ。ボケやセッティングの都合で縦構図の方がやりやすいらしい。例えばこれはいいボケが出ているが奥の方に壁が入ってしまった。横構図で奥行きを出そうとすると遠くまで映り込むのでセッティングしなければいけない範囲が増えて大変になるのだ。
切り取ることで想像させる
見て欲しいポイントをはっきりさせるために切り取る。なんとなく全体を収めようとして真ん中に置くとどこを見て欲しいかもぼやけてしまう。これは日の丸構図といって嫌われる。
次にあえて切り取ってみる。想像で補ってもらえるから問題ないという理屈。これで表面の焼き目に目が行くようになった。
とりあえずこれで撮っとけ、という縦構図
割と破綻しない構図らしい。こんなに注意点があるとは…。1つずつパターンを増やしてきたいものだ。
何回か出てきた縦構図だが
a)上側の余白を大きくする
→中央に置かれた単調な構図を避ける意味と上側が小さいと詰まっている感が出る。大きいほうが「余白が続いていく」感が出る。
b)下側の余白は小さめ
c)片側を切り取り
d)逆に反対側は少し余白をあける→両方切り取ると不安定な構図になる
e)右下に傾かないように注意する→開いた側に滑り落ちるように見えて良くない
まとめ
上を目指せば本格的なライティングや構図・ホワイトバランス・露出・絞りなど色々あると思う。でも最後の構図で示したように「注意深さ」さえあればそれなりの写真が撮れるよ、という参考になれば嬉しいです。
後三鷹方面の方はハイファミリアで写真教室やられてるそうなのでみんな写真うまくなっちゃうといいと思います。表参道でもこの前やっていたので公式サイトの方見てみてください。
料理専門の写真教室 フェリカスピコ 東京